「石油コンロ」または「灯油コンロ」って、知ってますか?
「石油コンロ」というのは↓このような製品です。

石油ストーブなのですが、反射式と違って、調理に特化しているというか、石油を使ったコンロなのです。
ガスコンロ、電気コンロ、石油コンロ・・・。コンロ? 焜炉?
ガスや電気などの熱源を使って調理するための加熱器具の総称で、漢字では「焜炉」と書きます。
一般的にはガスコンロを指すことが多いですが、電気コンロ(電熱線式)やIHクッキングヒーター、持ち運び可能なカセットコンロなども含まれ、炭や薪を燃料とするものもあります。
石油コンロで合っていました。
その石油コンロなのですが、とても優れものなので、ぜひ紹介したいのです。
私は冬の間、キッチンにあるメインのガスレンジをほぼ使いません。代わりに、リビングの中央で鎮座する5年前に購入した石油コンロ「トヨトミ HH-2124」(上部の左の製品)が、我が家の「食」と「暖」のすべてを司っています。
今回は、石油ストーブの上で「やかんを沸かす」「調理に使う」という、お遊びレベルを超えた、ガチの節約調理術を公開します。
結論:冬のガス代をゼロに近づける「石油コンロ」の圧倒的な威力
まず、なぜ私が「石油ストーブ」ではなく、あえて「石油コンロ(HH-2124)」を推すのか。そのエンジニアリング的な理由からお話しします。
|
反射式ストーブとの「熱量」の決定的な差
一般的な反射式石油ストーブは、横方向への暖房(輻射熱)がメインであり、上部の熱はあくまで「おまけ」です。しかし、HH-2124などの石油コンロは「煮炊き専用」として設計されています。
火源と天板の距離が近く、その熱量はガスレンジの「中火~強火」に相当します。 「ただ温める」のではなく「しっかり調理する」ためのパワーが備わっているのです。
24時間365日の稼働サイクル(冬期限定)
北国の厳しい冬、暖房を止める時間はありません。どうせ部屋を温めるために石油を燃やすなら、その熱を空気に逃がすだけではもったいない。
「暖房費」という予算の中に「調理費」を100%吸収させてしまう。 この最適化を行うことで、冬の間の我が家のガス代は、「ほぼ不使用状態」まで削減されます。
災害時に露呈する「ガス・電気」の脆弱性
2025年、いつ巨大地震や大雪による停電に見舞われるか分かりません。その際、普段頼っているインフラには以下のリスクが潜んでいます。
災害時、マイコンメーターが作動してガスが止まるのは周知の通りです。復旧のためのロック解除作業が必要ですが、配管の歪みやガス漏れのリスクがある中で、素人が安易に使うのは危険を伴います。
何より、ガスは「家の中の配管がある場所」でしか使えないという移動不可の制約があります。
持ち運びはできますが、燃料の「備蓄効率」に難があります。
カセットボンベ1本(250g)の燃焼時間は強火で約1時間、弱火でも3時間程度。調理には十分ですが、暖房として24時間稼働させようと思えば、1日に何本、1週間で何十本もの重いボンベをストックしておく必要があり、現実的ではありません。
灯油であればポリタンク1本(18L)で、私が使用しているHH-2124なら約80時間〜100時間の連続燃焼が可能です。
1缶あれば1週間以上の「食と暖」を、場所を選ばず確保できる。この機動性と備蓄効率の高さこそ、最強の防災武装と言えます。
調理コストの比較:なぜ石油コンロが「勝ち」なのか
1時間の煮込み料理を行った場合のコスト(概算)を比較してみましょう。
| 熱源 | 1時間あたりのコスト | 備蓄・利便性の評価 |
| 電気調理器(IH等) | 約30円〜50円 | 停電時はゼロ。 基本料金が高い。 |
| プロパンガス(LP) | 約80円〜120円 | 単価が高い。 配管に縛られる。 |
| カセットボンベ | 約100円〜150円 | ボンベ1/2〜1/3本分。 備蓄コスト大。 |
| 石油コンロ(灯油) | 約15円〜20円 | 暖房兼用なら実質無料。 備蓄が容易。 |
※灯油110円/L、プロパンガス従量単価600円/㎥、電気35円/kWh、カセットボンベ150円/本で試算。
見ての通り、石油コンロは単体でもコストが低いですが、最大のメリットは「暖房として部屋を温めているエネルギーをそのまま流用できる」点にあります。
ガスや電気は「調理のためだけに」課金されますが、石油コンロは「暖房費」に調理コストを完全に吸収できるため、家計における実質的な調理コストは限りなくゼロに近づくのです。
実食レポート:ガス火では不可能な「食感」
「節約のために調理時間を犠牲にする」のは、残念な(二流の)やり方です。圧力鍋を使えば時間短縮して柔らかく煮ることもできますが、加圧中は中を確認できないもどかしさもあります。追加で煮込むことも可能でも、ほぼ一発勝負のような調理法といえます。
石油コンロ調理の真価は、時間を気にせず煮込むことができる。その、味見(確認)しながら長時間煮込むことで可能な圧倒的美味しさにあります。
鶏もも肉が「箸で崩れる」
私はよく鶏もも肉の煮込みを作ります。調べると、ガス火で強引に加熱すると、肉のタンパク質は急激に硬化するそうです。
しかし、安定した火力でじっくり熱を通すと、鶏もも肉は文字通り「箸で触れるだけでホロホロと崩れる」ほど柔らかくなります。骨付きのもも肉などは、箸だけで骨から全ての肉を取り外せるほどです。
溶ける角煮、極上のモツ煮、かすべ、軟骨
ガス代を気にせず、3時間でも4時間でも放置してください。脂身がプルプルに溶け、味が芯まで染み込んだプロ級の仕上がりになります。脂身以外の肉なんて、柔らかすぎてほぼ繊維、噛まなくていい角煮が完成します。
あなたがいつも食べているモツ煮の食感はどんな感じですか?歯ごたえは残ってますか?
石油コンロで下茹でから本調理まで、石油コンロに任せきり。安い食材が、時間を味方につけることで、どんな高級店にも負けない食感に変わります。
皆さん「かすべ」って知ってますか?「かすべ」はエイのことで、そのヒレの部位がスーパーなどで比較的安い値段で売られています。
ヒレの軟骨なので、煮込み時間が短いと食感がゴリゴリですが、長時間しっかり煮込んだものは、柔らかいコリコリ(?)サクサク(?)です。
クックパッドを見ると、10分、15分煮ると書いています。しかし、私は数時間煮た「かすべ」を食べているので、10分?15分?「っぷ!(笑)」です
スーパーで「とり軟骨」(三角形のやつ)が売っています。焼き鳥の「軟骨」のイメージが強いので、買ってきてもフライパンで焼いて塩コショウで味付けして食べるのではないでしょうか?
実は、このとり軟骨、煮込むとプルプルになるんです。(実際そういう料理があるのを知らずにやってました。)
煮込めば煮込むだけプルプルになります。大きさも1.5倍くらいまで膨らみます。見た目も食感もコラーゲンの塊です。(調べたら本当にコラーゲンの塊でした。)
数時間煮た柔らかい「軟骨」なら、苦手な人でも食べれると思いますよ。
苦手な「調理モード」の把握
システムには必ず限界があります。石油コンロは「中火」は得意ですが、以下の調理には向きません。
強火の瞬発力
ステーキの表面だけを一気に焼き固めるような高火力調理。
温度の微調整
180℃固定の揚げ物など。 これらは素直にガスレンジやIHに任せます。
「得意な煮込みは石油コンロに全振り、それ以外は通常の調理器具」と割り切るのが、賢いリソース管理です。それでも、寒い時期は「煮込み料理」をいかに増やせるかが腕の見せ所でもありますけどね。
「大量のお湯」というインフラの確保
パスタやラーメンを茹でる際、大量のお湯が必要です。これをガスで沸かすとかなりのコストになります。 私は大きな鍋に水を張り、常に石油コンロの上に乗せておきます。ガスレンジより多少時間はかかりますが、放置しておけば確実に沸騰まで到達します。
「いつでも沸騰したお湯がそこにある」という環境は、冬の家事効率を劇的に引き上げます。
素朴な疑問:料理をすると部屋が温まりにくくなる?
「ストーブの上で調理をすると、熱が料理に奪われて部屋が温まりにくくなるのでは?」という疑問を持つ方がいるかもしれません。
結論から言うと、「トータルで部屋に放出される熱量は同じ」です。
物理学には「エネルギー保存の法則」というものがあります。灯油を燃やして発生した熱エネルギーは、決して消えてなくなることはありません。
熱はダイレクトに空気を温めます(即時反映)。
熱の一部が一度「鍋や食材」に蓄えられます(一時保存)。
確かに、鍋を乗せた瞬間は、熱が食材の加熱に回るため、空気を温めるスピードはコンマ数秒、数分レベルでは遅くなるかもしれません。
しかし、加熱された鍋や料理は、やがて強力な「放熱体」となって部屋を温め返します。ストーブを消しても、鍋や料理から熱が発せられますよね。
さらに、調理で発生した蒸気は「潜熱」として熱を運び、部屋を潤しながら温度を維持してくれます。
エンジニア的に言えば、「熱のバッファ(キャッシュ)」を使っている状態です。 むしろ、湿度が上がることで体感温度は上昇するため、「料理をしている時の方が、暖房効率は高く感じる」のが現実です。
安心してコトコト煮込んでください。
石油コンロ運用の「連携」
石油コンロを運用する上で、私が実践している効率的な配置とルーチンをご紹介します。
調理(調理用ガス代節約)
上で紹介した通り、石油コンロの最大の利点である調理に利用します。
調理中は蒸気が出るので加湿にもなります。加湿しすぎているようなら扉を開けて湿度を逃がしましょう。
加湿(加湿器不要と電気代節約)
調理に使用していないときは、やかんや大きい鍋を使って、いつでも使えるお湯を沸かします。
ただし、常に沸騰した状態にすると加湿のし過ぎで結露が発生します。北国にお住いの方には、私は、湿度30~40%でやかんや鍋を下した方がいいとアドバイスします。
ネットで調べると、「40~60%がベスト」など書いていますが、湿度が上がると外と部屋の温度差で窓に結露が発生します。
窓ならサッシがあるので結露しても構いませんが、廊下と部屋の温度差で扉のガラスに結露が発生すると、扉の木の部分に染み込み、ゆがみやカビの原因になりかねません。
また、断熱がしっかりしていないご家庭では、壁に結露して壁紙が剥がれるかも知れません。
冬場でも「湿度60%」を奨める人は、無理難題でも「これが正解なのでやってください」「やらないあなたが悪いのです」「わたしはちゃんと言いました」とか言いそうな人ですね。(遠い目)
豆炭あんか(エアコン電気代と火付け用ガス代の節約)
下の記事で紹介した「1日15円の豆炭あんか」。この着火に石油コンロは欠かせません。 調理の隙間で、豆炭を火起こし器に入れて乗せておく。30分もすれば、24時間続く熱源が完成します。
毎月の電気代の請求書を見ると、「高いな~」と思いますよね? 2025年、エネルギー価格の高騰はもはや「一時的な波」ではなく「恒久的な壁」となりました。ガソリンが十数円安くなりましたが、燃費の良い車だと、ほぼ実感はないでしょう。私の記[…]
「豆炭」の火付けにガスコンロを使うと、節約するためにガスを消費しているという罪悪感?が生まれます。
なので、「豆炭」が安定して燃えるギリギリでガスコンロを止めてしまうため、「豆炭あんか」が数時間で冷たくなることがたまにあります。
しかし、石油コンロを使って火付けをすれば、何もしなければ消える熱を利用して「豆炭」に火をつけているため30分炙っても全然心が痛みません。
灯油調達の最適化:ミニローリーを自ら運転して最安値で仕入れる
石油コンロをメインコンロとして運用する上で、避けて通れないのが「灯油の調達コスト」です。 私は、自宅の400Lホームタンクを満たす際、配送を頼まずに「ミニローリーのセルフ貸出サービス」を利用しています。
例えば、ガソリンスタンドの「オカモトセルフ」などでは、灯油ミニローリー車を10分100円(1分10円)程度で貸し出しています。これを利用するメリットは絶大です。
「オカモトセルフ」の灯油ミニローリー貸出サービスについてはコチラをご覧ください。
あなたがお住いの地域でサービスを実施しているか確認できます。
配送手数料(1Lあたり数円〜十数円)が一切かからず、店頭の最安値で大量給油できます。
400Lを一度に運べるため、何度もポリタンクを持ってスタンドへ行く手間がありません。
調理や暖房に使う「燃料」そのものの仕入れ値を下げる。この「調達のリファクタリング」があってこそ、15円の豆炭あんかや石油コンロ調理の節約効果が最大化されるのです。
セキュリティと脆弱性対策(安全運用の鉄則)
石油コンロは非常に便利な道具ですが、運用には「物理的なセキュリティ対策」が必要です。
物理防御:お子様とペットへの警告
反射式ストーブと違い、上面の火が剥き出しです。熱源が露出しているため、小さなお子様や室内飼いのペットがいる家庭では、おススメしません。(何かあったら私が困ります)
ストーブガードなどの物理的な壁で防ぐこともできますが、使い勝手が悪くなるため、これもまた、おススメしません。
自己責任で行動できる人間がいるご家庭でご使用ください。
吹きこぼれ
石油コンロの内側のふち(?)は、受け皿のようになっているので煮汁がこぼれても、ある程度は防いでくれます。
しかし、芯に液体が染み込むと燃焼不良の原因にもなりますし、掃除がかなり面倒になると思われますので吹きこぼれを起こさないようにするのが一番です。
鍋の容量に対して、7分目以上は入れない。
私は以前、自分で芯を交換しようと全分解しましたが、かなり手間がかかりました。
メンテナンスの重要性
芯の管理はエンジニアにおける「コードの整理」と同じです。 焦げ付いた芯を放置すると、火力が落ち、燃焼効率が悪化します。
定期的な空焚き(芯のクリーニング)を行うことで、石油コンロのパフォーマンスを100%引き出し続けることができます。
あと、メーカーさんにお願いですが、芯替えをもっと簡単にできる構造にして欲しいです。
インフラを整え、浮いたお金を「出口戦略」へ
石油コンロを導入し、現場のガス代を削ったら、次は「構造的な負債」を解消しましょう。
プロパンガス料金という名の「バグ」
どんなに灯油で調理を頑張っても、契約しているガス会社の基本料金が高ければ、節約の効率は落ちます。
特に賃貸アパートのプロパンガス代は、入居者が気づかないうちに「異常な単価」に設定されていることがよくあります。
なぜ賃貸のプロパンガス代は「勝手に値上がり」するのか毎月届くガス代の請求を見て、「うちだけなんでこんなに高いの?」とため息をついていませんか?そもそも、あなたが「高い」と感じるのは気のせいではありません。政府の家計調査([…]
乗り換えサービス「エネピ(enepi)」でインフラを再構築
私は、石油コンロでのセルフハックと並行して、「エネピ」のような無料診断サービスで契約そのものを最適化することを推奨しています。
関連記事:【光熱費 節約 方法】LPガス・電気を年間10万円安くする「無料乗り換え代行」
毎月の光熱費が高すぎて家計が苦しい…と悩んでいませんか?世の中の節約サイトには「冷蔵庫の温度を下げろ」「最新家電に買い替えろ」といったアドバイスが溢れています。 しかし、数円のために我慢したり、数万円の初期投資をしたりするの[…]
現場での努力(灯油調理)で「変動費」を削り、インフラの最適化(契約見直し)で「固定費」を削る。
この両輪が揃って初めて、年間10万円という浮いたお金を「未来の投資」に回せるようになるのです。
関連記事:年間10万円浮いたお金を『未来の投資』に変える賢い出口戦略
のぞみこまめに電気を消しても月30円……。光熱費の節約なんて、手間ばかりで意味ない気がするんだけど。ネコぷにゅ正解!「節約のため」とちまちま削るのは、ストレスが溜まるし『時間対効果』が悪すぎる[…]
まとめ:石油コンロは「不便な道具」ではなく「最強の武装」である
「今時、石油で料理なんて……」と思う人もいるかもしれません。 しかし、現在、エネルギー危機の真っ只中において、石油コンロは最も合理的で、最も堅牢な暖房兼調理インフラです。
ガス代が浮く。
料理が美味しくなる。
停電しても「温かい食事」が作れる。
部屋が加湿され、喉を痛めない。
この一台がリビングにあるだけで、あなたの冬の生活は劇的にリファクタリングされます。
石油コンロがあなたの冬の食卓と通帳を、確実に変えてくれるはずです。
|
|