火を見ていると落ち着きますね。
特にキャンプに行ってする焚き火は非日常的で現実を忘れさせてくれます。
夜になると、幻想的な雰囲気も出て最高です。
しかし、実際には焚き火の明かりだけでは光量が不足しあたりが暗くなってしまうため、オイルランタンやLEDランタンを使用します。当然、オイルランタンにはオイルですし、LEDランタンの燃料は電気です。
もちろん十分準備して出かけると思いますが、もし燃料切れになったら…
まだキャンプであれば良いですが、それが災害などで長期間停電している時にスマホやLEDライトの充電切れになったら一大事です。
仮にスマホ用にモバイルバッテリーを複数持っていたとしても、何日続くかわからない停電となれは、手持ちのバッテリーや電池だけで乗り切れるか不安ではありませんか?
ところで、みなさんはBioLite(バイオライト)のキャンプストーブ2という製品をご存じですか?
なんと、焚き火をして発電がきる製品なのです。
BioLite(バイオライト)のキャンプストーブ2があればそんなバッテリー切れの不安を解消してくれます。
焚き火で発電?
そう。
燃やすものがあれば電気を起こせるよ
今回は焚き火と発電の機能をあわせ持つキャンプストーブ2の仕組みや使い方など、その魅力を伝えたいと思います。。
キャンプストーブ2
BioLiteのキャンプストーブ2は焚き火をすると発電する、すなわち火力発電ができる製品です。
燃やせるものなら小枝や枯れ葉、松ぼっくり、木質ペレット、etc…、キャンプストーブ2に入る物なら何でもOK。
キャンプに行った先で落ちている小枝を燃やしても良いですし、災害時には家にある割りばしや古着、雑誌、燃やせる物なら何でも燃やして電気に変えることができるのです。
そして、発電した電気で内蔵のファンを回し燃焼室内へ酸素を送り込むので強力な火力となります。
そのおかげで、多少湿った小枝でも水分を飛ばして燃焼させることができます。
強い火力で完全燃焼させるため、燃焼開始時や燃料の追加時に煙が発生しにくく、燃えカス(灰)が少ないのも特徴的です。
高温を発する炭などは推奨していないようです。
発電について
キャンプストーブ2が「焚き火をして発電する製品」というのは説明した通りです。
しかし、「焚き火をして電気ができる?」っと頭を傾げた方、または、「仕組みが知りたい」と思った方のために、電気・発電について補足説明をします。
まず、電気を回転力に変換するのがモーターです。
逆に回転力を電気に変換するのがダイナモです。
例えば、風力発電では風の力で、水力発電で水の力でダイナモを回し発電します。
火力発電所は燃やした熱で、原子力発電所は燃料棒の発熱で水を蒸気に変えてタービンを回し発電していまです。
火力発電には大きな設備が必要なんでしょ?
ネコぷにゅは「燃やして」の所で
ピピピンと来たのだ
次は電気を光に変換するのがLEDです。
逆に光を電気に変換するのがソーラーパネルです。
LEDの仕組みについては下の記事で解説しています。
そして、電気を温度差に変換するのがペルチェ素子です。
ペルチェ、キタ━(゚∀゚)━!!
ペルチェって聞いたことないわ
このペルチェ素子は電気を流すと表面と裏面で温度差が発生します。
逆に表面と裏面に温度差を与えると発電するという特性があります。
不思議ですね。
実際、パソコンのCPUを冷やす目的で結構昔から使われていました。
また、小型の冷蔵庫などにもペルチェは使われていますし、最近ではネッククーラーや冷蔵ベストとしても使用されています。
ペルチェについては下の記事にて解説しています。
キャンプストーブ2の仕組み
キャンプストーブ2は焚き火の熱をペルチェ素子に伝えて発電します。
分解していないので分かりませんが、
1,燃焼室より伸びている棒が焚き火の熱で熱せられる
2,パワーモジュール内のペルチェの片面に熱を与える
3,ペルチェの反対の面にファンの風を当てて冷却する
4,ペルチェが発電する
と思われます。
そして、3番の冷却に使用した空気はキャンプストーブ2の燃焼室に送り込まれ、燃焼効率を上げる空気として利用していると想像できます。
だとすると、実に考えられた構造になっていますね。
ペルチェの発電に必要な与熱と冷却を
無駄なく繋げている・・・
キャンプストーブ2の詳細説明
キャンプストーブ2は下記のようにな構造になっています。
①燃焼室
燃料室に小枝や木質ペレットなど燃料となる材料を投入します。⑦のプローブが邪魔になるため、あまり大きな燃料は入りません。小枝も割りばし程度が丁度良く、通常の焚火に使用するような太い木材は予めナタなどで細かくしておく必要があります。
前述でも何度か出ている木質ペレットが燃料としてはとても相性が良いです。
②空気噴出穴
③のパワーモジュール上部にあるファンより取り込んだ空気は①の燃焼室内部に送り込まれ燃焼室内部に無数の穴より噴出します。この時、空気の流れが一定方向に流れるため、燃焼中は炎が渦を巻くように上方へ昇ります。
③パワーモジュール
①の燃焼室で発生した熱が⑦のプローブを伝ってパワーモジュール内で電気へ変換されます。この発電した電気をパワーモジュールに貯め込むのですが、パワーモジュール自体がモバイルバッテリーになっていて下部のUSBポートよりスマホなどへ充電が可能となります。
付属品としてUSBライトが付いてますので夜にキャンプストーブ2を使って燃焼、発電する時はこのUSBライトで周りを照らすことができます。
④金属メッシュ部
キャンプストーブ2の外側を指します。
熱伝導率が良いせいか、燃焼中でもあまり熱くなりません。
※強い火力で長時間燃焼させていると流石に熱くなります
⑤USB
③のパワーモジュール下部に付いているUSBポートです。
通常のモバイルバッテリーと同じような使い方ができます。バッテリー残量はパワーモジュールに表示されています。
ちなみに、バッテリー残量と同じく発電量もパワーモジュールに表示します。
⑥三脚
キャンプストーブ2本体の脚で折り畳み式になっています。
三脚を開いた状態ではかなり安定して自立しています。
※専用のケトルポットに収納する時は折りたたむ必要があります
⑦銅製プローブ
①の燃焼室の熱を③のパワーモジュールへと伝える重要な部品です。
※燃焼室に燃やす材料を投入する時かなり邪魔です
キャンプストーブ2の収納性
それでは、キャンプストーブ2の収納性について説明します。
キャンプストーブ2は組み立て式になっていて分解可能となっています。
大きく、燃焼室とパワーモジュールに分割できます。
分割したパワーモジュールは燃焼室に入るサイズになっていて重ねるとスッキリ収納できます。
更に、キャンプストーブ2専用のケトルポットも販売されていて、ケトルポットに燃焼室が入るサイズになっているため、ケトルポットがバイオライトの収納ケースにもなります。
持ち運びや収納に便利そうね
バイオライト専用ケトル
組み立て後
キャンプストーブ2専用ケトルポット
上記で出てきたキャンプストーブ2の専用ケトルポットとはどういったものか解説します。
専用ケトルポットはキャンプストーブ2の上にピッタリ乗っかるサイズで、お湯を沸かしたり、スープを煮たりできます。
縦に長いからパスタを茹でることもできそうね
そして、収納性の紹介でも記述しましたが、キャンプストーブ2の収納ケースにもなり、持ち運び用の収納ケースとして使用するだけでも価値があります。
ですが、本当の性能はキャンプストーブ2でクッカーとして使用した時に真価を発揮します。
まずは、このケトルポットをキャンプストーブ2に乗せると風防としての役割を果たします。
ポットの底は発生した熱を効率良く受ける構造になっていて、すばやくお湯が沸かすことができます。
容量は1.5リトッルもあります。
これはカップ麺を4個作れる量で、この量もあっというまに沸いてしまいます。
上部の注ぎ口になっているカップをガッチリ被せてしまうと外しにくいので注意が必要です
そして、ケトルポットにはコーヒープレスが付属します。
キャンプでも挽いたコーヒー豆で淹れたての美味しいコーヒーが飲めますよ。
片付けが面倒そうで
使ったことは無い
キャンプストーブ2専用ポータブルグリル
キャンプストーブ2には専用のグリル(ポータブルグリル)が販売されています。
この専用のポータブルグリルを使えば、キャンプストーブ2でBBQを楽しむことができます。
ゆっくり食事をするなら
これくらいの焼き面があれば十分
写真でバイオライトのロゴマークが付いている丸い蓋がありますが、これにも理由があります。
下部の写真がキャンプストーブ2に専用ポータブルグリルを取り付けた姿です。
ロゴマークの蓋は燃焼室の真上に位置しています。
この蓋を開けることで、専用ポータブルグリルを外さずに燃焼室へ燃料を投入することができます。
また、専用ポータブルグリルの網の下にある受け皿には傾斜がついていて、肉や魚を焼いた時に出た油を燃焼室へ流す仕組みになっています。
この仕組みで焼いた時に出た油も燃料として利用します。
皿に汁や油が溜まらないので一石二鳥なのだ
燃料について
次は、キャンプストーブ2の燃料についての解説です。
キャンプストーブ2はパワーモジュールのファンが送り込む空気によって燃焼力がアップし、燃焼室内はかなり強力な炎となります。
なので、燃焼中であれば少量ずつなら湿った小枝でも燃やすことが可能です。
石油ファンヒーターの炎を想像すると良いです。
公式の説明として「小枝や松ぼっくりなど」としています。
しかし、「小枝や松ぼっくりなど」では、あっという間に燃え尽きてしまいます。
丁度いい大きさの小枝をいっぱい集めれるか心配・・・
あまり大きくなく長持ちしそうな燃料として炭や豆炭があります。
しかし、炭、豆炭は燃料としては使わない方が良いです。
なぜなら、発電に使用しているペルチェは構造が単純とは言え電子部品なので必要以上の熱は悪影響です。実際、ペルチェの仕様にも〇度までと上限が設けられています。
そして、片面を熱し反対面を冷やして発電する仕組みであるため、熱を加える側に裏面がファンで冷やせない程の熱量を与えても発電効率は上がりませんし、機器そのものを損傷してしまいます。
そこで、オススメするのが木質ペレット(猫砂)です。
ネコぷにゅのトイレだ
燃料は木質ペレット
木質ペレットというのは、ペレット専用のストーブなどで使用する燃料です。
ネコを飼っている方なら猫砂としてペレットをご存じでしょう。
燃料用のペレットが見つからない場合はペットコーナーの猫砂(木質のもの)でも大丈夫です。
猫砂でも燃料として使用できるのは木質ペレットとなりますのでご注意ください。
木質ペレットはホームセンターの炭、薪などの燃料コーナーに置いています。
上の写真のような袋入りになっていて10kg、20kg単位で購入可能で、値段も10kgで700~800円程度です。
木質ペレットには使用する原材料の違いでホワイトペレット、混合ペレット、バークペレットなど数種類販売されていて値段が少々異なります。
キャンプストーブ2の燃料として使うなら若干高いですがホワイトペレットを購入すると良いです。
は、早く燃やしたい・・・
誤解されるわよ
木質ペレットは灯油などと違い、原油価格に影響されず価格が安定しているということを売りにしていて、いつでも同じ値段で購入できるのでまとめ買いをしなくても大丈夫です。
木質ペレットの使用量、消費量
使った事ないから
どれくらい燃えるのか見当がつかないわ
実は木質ペレットはそれのみでは着火が難しいです。
そのため、始めは小枝か着火剤などでペレットに着火しなければいけないのが唯一の難点です。
しかし、燃えてしまえば安定した火力を保てますし燃料の追加が容易なため、キャンプストーブ2を使い始めるとメインの燃料になると思います。
キャンプストーブ22で木質ペレットを使用した場合、コップ一杯分で30分程度(以上)燃焼します。
もし、キャンプにキャンプストーブ2を持って行ってBBQを2~3時間程度するなら、大きめのタッパ1つあれば十分です。
また、小枝などを現地調達できるのであれば使用する木質ペレットの量は更に少なくて済みます。
キャンプだけで使用するなら10kgあれば数年使える分量になります。
想像してたのより使わないのね
しかし、災害時の煮炊きや発電、防災用品として使用するかもしれませんので、保管場所があるなら10kgを2つか3つ準備しても良いと思います。
ま、木質ペレットが無くても
その辺の物燃やせば良い訳だし
燃焼後の片付け
最後にキャンプストーブ2を使用した後の片付けについても触れておきます。
キャンプストーブ2は燃焼を終了し発電を止めてもバッテリーに溜まっている電力で暫くファンが回り本体の熱を冷まします。これは、冷ますことで電気部品へのダメージを軽減する意味もあるので強制的に止めないようにしてください。
そして、ここまでの説明でも何度か記述してる通り、完全燃焼させているため残りカス(灰)はかなり少ないです。なので、灰の量は気にしなくて良いですが、迷惑にならないよう持ち帰るゴミに入れるなど適切に処分してください。
本体の掃除は、燃焼室と上部の五徳、それに熱を伝える銅製のプローブが煤(スス)で真っ黒になります。燃焼室部とパワーモジュール部を分離、燃焼室側は水やお湯で洗い、銅製のプローブはブラシで煤(スス)を払い紙か布で清掃を行ってください。
ステンレス製なので錆びにくくなっていますが長く使用したいので奇麗な状態で保管しておくと良いでしょう。
まとめ
BioLite(バイオライト)のキャンプスートブ2がどういう製品か伝わりましたか?
ネコぷにゅはキャンプストーブ2の存在を知った時、即、フルセットで購入してしまいました。
これほど現代のサバイバルに
必要な製品は見当たらない
届いてすぐに専用のケトルポットや専用のポータブルグリルも使用しましたがとても満足しました。
途中、木質ペレットの入れすぎで炎が消えてしまった時には不完全燃焼の煙でヒドイ目に遭いました。
しかし、本来の目的である発電に関しては十分な電力を確保できることも確認しました。
何で火を燃やすのって
あんなに楽しいのだ
炎の揺らぎには
リラックス効果もあるみたいよ
火力も木質ペレットで微調整できますし、ちょっと焚き火に対してのイメージが変わりました。
焚き火自体、ストーブ内の燃焼室で完結するので準備も片付けも楽です。
まして、キャンプや災害時に燃やすものがあれば発電できるというのは凄い安心感です。
ネコぷにゅが購入したキャンプ用品、防災用品の中でもキャンプストーブ2は特にオススメです。
まさに、一家に一台持って貰いたい製品です。
ありがとうございました。
ありがとうございました。
ネコぷにゅの経験では太さ、長さ、などを考慮すると「割りばし」がベストですが短時間で燃え尽きてしまいます。
しかし、燃焼室の底に溜まった燃料をかき混ぜたり、火力が弱った時の火力アップの燃料として重宝します。
普段使用した割りばしは洗って取っておくと役立ちますよ。