昔は豆電球や蛍光灯だったものがLEDに代わり、今は灯りを発するものは大抵LEDになってしまいましたね。
みなさんもキャンプや停電用、それに夜道で足元を照らす灯りとして、LEDライトの1つ2つは持っていると思います。
そんなLEDライトですが、購入時は何を基準に選んでいますか?
スマホにライトが付いてるから
それで充分よ
スマホが充電切れになったら使えなくなるし、
ライトだけの製品も持ってた方がいいよ
値段?大きさ?明るさの単位のルーメン?
予想では、小さくてルーメンは大きく、値段は安く・・・、こんな感じだと思います。
頻繁に買うものではないので、あまり比較はしないでしょう。なので、買って後悔ということは無いかもしれません。
しかし、出来ればベストな製品を選びたいものです。
そこで、せっかくなのでLEDについて基本的なことから学び、どういう製品が良いか選択できるように解説していきたいと思います。
LEDの基本
普段何気なしににLEDライト、LED電球と呼んでいるので、あの光る部品がLEDだと言う事は知っていても、LEDが何の略称か知っている人は少ないのではないでしょうか?
LEDとは”Light Emitting Diode(ライト・エミッティング・ダイオード)”の頭文字で、日本語にすると”光る半導体”となります。
昔は”発光ダイオード”と呼んでいましたがいつの間にかLEDの方が一般的になりました。
LEDが光るのは、p型半導体とn型半導体を組み合わせた部分に電圧をかけることで、プラスとマイナスから流れたエネルギーがp-n接合部で結合して消滅し、電子エネルギーが高い方から低い方へ移り、余ったエネルギーが光として放出される、というのが光る原理となります。
図で表すと以下の様になります。
LEDのメリット
LEDには以下のようなメリットがあります。
- 電球や蛍光灯と比べ壊れにくい
- 震動や衝撃に強い
- 電力消費量が少ない
- 発熱量が小さい
- 光るまでの反応が早い
- 紫外線を出さないので虫が寄って来ない
LEDも定格容量以上の電流を流すと、
一瞬で壊れるよ
LEDのデメリット
LEDのデメリットとしては以下の様な内容が挙げられますが、余りデメリットとは思えないため、その理由も一緒に記述していきます。
- 値段が高い
LED電球などの場合はLEDの他に電子部品が付属しているため、通常の電球に比べ値段は高くなっていますが、LED単体なら一個数円でも買えるため「LED=値段が高い」とは言えません。
- 電球や蛍光灯より光度が低い
これも単体で比較すると低いかもしれません。しかし、消費電力が少ないメリットを活かして数を多くすることでカバーできます。
- 熱に弱く、大電流で素子を損傷する恐れがある
これはLEDに限らず大抵の電子部品に当てはまります。
ネコぷにゅが思うLED唯一のデメリットとしては、メリットの裏返しですが、発熱量が少ないので「車のヘッドライトに使用するとライトに付着した雪や氷が融けない」ということです。
明るさの単位(ルーメン)
それでは、LED製品、特にLEDライトやLEDランタンなどを購入する時、何を基準に製品を選べば良いかと言えば、パッケージに記述されている明るさを表すルーメンです。
そこで、まずはルーメンとは一体何なのか解説します。
ルーメンとは明るさを表す単位です。
ルーメンの定義としては「全ての方向に対して1カンデラの光度を持つ標準の点光源が1ステラジアンの立体角内に放出する光束」だそうです。(とても分かりにくいです)
ネコぷにゅがルーメンをイメージする時は「ローソク1本の灯りで1m離れた場所を照らした時の明るさが1ルーメン」です。
ローソクに例えると
イメージしやすいわ
もう少し大きいルーメンをイメージする時は、ローソク1本だと炎は1~2cm程度なので、その体積を100倍にした「小さい松明1本ぶん程度の明るさで100ルーメン」です。
それ以上だと「40wの白熱電球が約500ルーメン」。キャンプ時のテントを照らすのであれば500ルーメン以上は欲しい所です。明るいとその分消費電力も大きくなるので目安は1,000ルーメン前後。2,000ルーメンや3,000ルーメンなどに切り替え可能な製品は一時的に照らす目的で使用すると良いでしょう。
「車のヘッドライトが2,000ルーメン前後」になります。LEDライトを購入する時は、2,000ルーメンが車のヘッドライト1つ分とイメージすると良いです。
電池容量と点灯時間
購入時の判断材料として点灯時間も気になるところです。
なるべく長く点灯して欲しい所ですが、点灯時間はバッテリー容量(電池容量)と明るさの割り算のようなものです。
バッテリー容量が多ければ明るくても長持ちしますし、バッテリー容量が少なくても暗いなら長持ちします。
バッテリーが10で明るさが2の場合に5時間点灯するとして、
バッテリーが同じ10でも明るさが5になれは2時間しか点灯しません。
逆に明るさが1になれば10時間点灯します。
5の明るさで10時間点灯させたいなら、バッテリーは50必要になります。
これが基本的な考え方です。
大ざっぱですがネコぷにゅは、1,000ルーメンで1時間点灯した場合、1,000mAh程度消費する感覚です。(計算はしていません)
購入した製品が充電式でどれくらい点灯するか把握したいなら、満充電した後、点灯から消灯までの時間を調べるのが確実です。停電用として常に満充電しているような場合、半年または一年周期で連続点灯時間を調べると故障の点検にもなり良いでしょう。いざ停電になった時、バッテリーの性能低下で点灯後すぐ充電切れになったら元も子もないですからね。
乾電池入れっぱなしだと
液漏れしてる場合があるよ
電源の種類
現在、LEDライトやLEDランタンは乾電池式のほか充電式の製品も多く、内蔵型だったり交換型だったり多種多様です。
売り場に行って迷わないためにそれぞれのメリットとデメリットを解説していきます。
・乾電池式
メリット:電池が切れても予備の電池と入れ替えればすぐに使用可能となる。
デメリット:電池を入れっぱなしにしておくと液漏れする場合があり、電池と接触する端子や内部の基盤を破損して最悪使えなくなる。
長期間使用しないなら、電池を外して
ライトと一緒に保管しておくと良いよ
・バッテリー内蔵式
メリット:本体に内蔵されているので電池の入れ忘れの心配が無い。
充電しておけば、ある程度長期保存しても使用できる。
デメリット:バッテリーの性能が低下、またはバッテリーが壊れた場合、バッテリーだけの交換ができない。
バッテリー内蔵型の場合、スマホに充電できる製品も多いが、スマホに充電するのであればモバイルバッテリーを余分に持っていた方が良い。
灯りを犠牲にしてまでスマホに充電しないといけない場面を想定するなら、ソーラーパネルやキャンプストーブ2など、発電する手段を用意するべき。
キャンプストーブ2の記事はコチラから。
・バッテリー(リチウムイオン電池)交換式
メリット:電池切れになっても予備のバッテリーと入れ替えてすぐに使用可能となる。
乾電池より大容量でスマホに充電できる製品も多い。
バッテリー性能の低下を気にする必要がない。
よく使われているのが18650という充電式の電池を使用するタイプです。
懐中電灯型のLEDライトやLEDランタンなど18650が使える製品で揃えておけば、予備の18650を多めに持っていても無駄にならないのでお薦めです。
18650の充電器はそのままスマホなどのモバイルバッテリーとして使用できる物もあり、普段持ち歩くモバイルバッテリー用としても18650を利用するのも良いです。
デメリット:予備のバッテリーを準備するのに乾電池よりコストがかかる。
破損すると火を噴いたり爆発したりする。(内蔵式も同様)
ロケット噴射みたいに火が出て、
水をかけても消えないんだ
18650は容量によって値段が違うのですが平均すると3,000mAh1本で1,000円程度します。
モバイルバッテリーの場合、10,000mAhが1,000円程度で買えますので、どうしても割り高かになってしまいます。
しかし、メリットの方で記述しましたが、18650の場合は共通で使える製品が多いので18650を使いまわしが出来て便利です。
ネコぷにゅは、懐中電灯型LEDライト、作業用LEDヘッドライト、LEDランタン、電子タバコなど、18650が使える製品で揃えています。なので18650を20本ほど持っていて、必要に応じて使いまわしているので、長期間充電ができない状況でもこれらの製品のどれかが使えなくなることは無いと思ってます。
SMDとCOB
次にCOBについて解説します。
売り場に行って製品を見ると「COB LED」とか「高光度COB搭載」とか書いている物がありますが「COBとは何ぞや?」と思った方いませんか?
光ってるのを見てないから
明るいのか分からないのよね
LEDライトの革命だ
COBとは「Chip On Board(チップ・オン・ボード)」の略です。チップ、オン、ボードなので、板にチップ(LED)が乗っているのかな?と想像できます。実際はどうでしょうか?
まず、通常使われるLEDはチップタイプで表面実装型(SMD)になります。単体では米粒ほどの大きさで、1つのLEDにプラスとマイナスの電極を繋ぐ必要があります。
それに対し、COBは電気を通す板の上にLEDチップを複数実装し、LEDチップ同士をワイヤで接続することでそれぞれのLEDにプラスとマイナスを通電させます。
COBのメリットは、
- 熱伝導率の高い基盤にすることで、LEDチップの発熱を効率良く放熱してSMDのLEDより熱くなりにくい
- 基盤に並べたLEDチップを接続しているワイヤの接続を直列や並列に変更することで電圧調整ができる
- SMDと比べ、LEDチップを高密度で配置できるため、同じ実装面積ならCOBの方が多くLEDチップを並べられる
などがあります。
結果として、狭い実装面に多くのLEDチップを多く並べることが出来、発熱を実装基板から放熱できるのでLED自体の熱ダメージも抑えられるようになっています。
用途に合った製品は?
ここまで読んで頂けたなら、LEDライトについての基礎的な学習は終了です。
どんな製品を購入すれば良いかイメージ出来るようになってきたと思います。
なんとなくだけどね
停電時の部屋の明かりやキャンプでテント内を照らすなら、置いて使用できて周囲も照らせるランタンタイプが良いですね。
防災時は長時間点灯させたいので少し暗めの300~700ルーメンでも十分でしょう。1日か2日のキャンプであればバッテリーの残量を見ながらが明るめの1,000~2,000ルーメンで照らせる製品が良いです。
ということは、明るさ調整機能付きでバッテリー残量の見える製品がベストです。
下記の製品は1,500ルーメンまで無段階の調光が可能で、使用電源には18650を3本使用します。スマホにも充電ができて、緊急時のモバイルバッテリーとしても使用可能です。
光量を抑えれば最大75時間点灯可能。停電が長期間続いたとしても,週間程度灯りの確保が出来ますし充電切れになったら予備の18650と交換すれば、すぐに使用可能となるので安心です。
作業用として使用するなら平面で照らす投光器型か、頭に装着して使用タイプのLEDライトです。
作業場所に光を集めるためランタンタイプより効率的に明るく照らせます。
安全作業するために点灯時間より明るさで製品を選択した方が良いです。
この場合、COBを使用した製品だとGOODです。
バッテリーを内蔵している物だと、電池切れになると作業を中断しないといけなくなりますし、充電しながら点灯できない製品も多いので、やはり18650などを使用する製品か乾電池を使用する製品を選びたいです。
下記の製品は3,000ルーメン、18650電池式で4本使用。スマホに充電可能。COB LEDを使用している製品です。
下の製品はヘッドライトタイプで18650を2本使用します。10,000ルーメンと書いていますが恐らくそこまでは光りません。ですが、非常に明るいです。車のライト以上の明るさです。レビューで書いている方もいますが、非常に熱くなりますので連続で長時間使用しているとハズレの個体は壊れるかもしれません。(個体差と思います)
ネコぷにゅ愛用
懐中電灯型やペン型の場合、普段カバンに入れて携帯したり移動しながら使用するでしょうから、あまり大きくなく、明るさも300~1,000ルーメン程度照らせる製品で十分です。
ただ、場合によっては点灯時間より明るさを優先する場合もあるので、家など据え置きで所持するなら1,000ルーメン以上、2,000ルーメンや4,000ルーメンでも良いです。
下記の製品だと1,800ルーメンで18650電池1本使用します。点灯時間は3~5時間と短めですが、携帯するなら小型で明るく程よいサイズです。予備の18650を1本持っていれば安心ですね。
単三乾電池を使用したいなら下記の様な製品も良いでしょう。
同程度の懐中電灯は電気屋さんでも500円程度で買えますし、ダイソーなどで購入しても構わないです。
モバイルバッテリーを利用する
充電できる状況でスマホしか持っていないなら、スマホのライト機能でも十分ですが、キャンプや停電時、または夜道で比較的長時間照らす場合はスマホの充電は減らしたくありませんよね。
そこで、普段持ち歩くモバイルバッテリーに始めからLEDライトが付いている製品もあるので紹介します。
下記の製品は容量15,000mAhでソーラー充電ができるため電源が無くても充電ができて便利です。このタイプのモバイルバッテリー使用時の注意点として、車のダッシュボードに乗せておくのはやめてください。
車内の熱のせいでバッテリーが膨張します。
ネコぷにゅもバッテリーが
パンパンになったことがあるぞ
「今使っているモバイルバッテリーにライト機能が無いよ」という方。下のような製品があるのでモバイルバッテリーとセットで持っていれば安心です。
同じような製品はダイソーなどでも売られています。
まとめ
LEDライトは明るければ明るいほど便利ですが、明るくすると点灯時間は短くなります。そして、点灯時間を長くするためにバッテリー容量の大きいものにすると製品が大型になってしまいます。
製品に記述されているルーメンは、実際に確認や比較ができないので、期待より暗くても「こんなものか?」と半ばあきらめてしまうこともあります。
バッテリーに関しても容量10,000mAhと記載されていても実際は10,000mAhも充電できないかもしれません。
そこでネコぷにゅは、
- ランタンタイプは大型でも点灯時間重視。
- 懐中電灯タイプと作業用ライトは明るさ重視。
- 携帯用ライトは小さくて時間重視。
- 光量は切り替え可能な物。
- 電源のタイプは18650の一択。(18650が使えないなら乾電池)
- 似たような製品で迷っているならスマホの充電ができる物。
- ラジオやテレビなど多目的な機能付きは不要。(必要なら単体で)
- 防水性はあまり気にしない。
以上を製品選択時の判断基準にしています。
4,000ルーメンと記載された製品なら「この製品が車のライトと同じくらい明るく照らせるのか?」、また、10,000ルーメンの製品なら「この製品の容量で、車2台以上で照らす明るさを記載した時間照らせるのか?」など、購入前にその製品に疑いを持つことも重要です。
もし不安な場合は詳しい人と一緒に行ってアドバイスしてもらうと良いでしょう。
今度電気屋さんに行って探してみるわ
ネコぷにゅも一緒に行くよ
通信販売などで製品の紹介として載せている写真やルーメン値は信じない方が良いです。
海外製、特に中国製の製品紹介に載せている写真はあからさまに使い回しです。10,000ルーメンと90,000ルーメンが同じ写真だったり、90,000ルーメンのLEDライトが2,000円台の値段だったり。
ありえません!
「この明るさとバッテリー容量でこれだけ点灯できる商品がこんな値段でお得かも!」と思ったら、少し冷静になって考えましょう。
ありがとうございました。
ありがとうございました。
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