人気のアイスリングは何で18℃や28℃で凍るの？本当に冷えるの？その仕組みをやさしく解説！

今年、猛暑の影響もあって突如人気が爆発し、売れ切れが続出した冷却グッズ。
28℃や18℃で凍結し、２時間ほど冷却効果を持続するネッククーラー、別名「アイスリング」。
「持ってるよ」という人も多いのではないでしょうか。

ですが、その仕組み気になりません？

製品を購入した方、または、購入を検討したことがある方は、商品説明やパッケージの説明に「NASAが研究開発した特殊素材・・・」という文言が記述されていることに気が付いた方もおられるはず。

更に仕組みに興味を持った方は、製品の「素材」も見たのではないでしょうか。
正解は「PCM素材」。
ここで、「ふーん。PCM素材か」とうなずく人は居ないでしょう。

「じゃあ、PCM素材って一体何なの？」と、調べる人は少ないと思います。
今回はネックネッククーラー、アイスリングの素材となっている、PCM素材について解説します。

のぞみ

28℃なのに凍るってのが不思議ね

ネコぷにゅ

ロウソクも常温で固まっているから
凍結していると言えるでしょ

PCM素材
物質の変化
PCMの中身
NASAで開発
アイスリング以外のPCM素材
まとめ

PCM素材

アイスリングで使用されている「PCM素材」というのは、Phase Change Materialの頭文字で日本語にすると「相交換物質」となります。

Phase ＝相、Change ＝変換、Material ＝素材です。

電気で熱変換を行うのはペルチェ素子ですが、これは電気を使わずに熱の吸収と放熱を行います。
ペルチェ素子については別の記事にて解説しています。

ペルチェ素子の発熱と冷却、そして発電ができる仕組みについて解説

不思議な半導体のペルチェ素子で吸熱（冷却）と放熱（発熱）、そして発電ができる仕組みを解説します。ペルチェ素子のメリットとデメリットを知ってペルチェを使った製品購入に役立てましょう。

物質の変化

小学校の理科で、物質は固体、液体、気体に変化すると教わりましたね。
水（液体）を冷やすと氷（固体）に、氷（固体）を温めると水（液体）になります。

これは、水を冷やす＝水が熱を放出すると氷になり、氷を温める＝氷が熱を吸収すると水になると言えます。

水が氷に変化するのは水の融点が０℃だからです。

PCMの中身

アイスリングに使われる液体には「パラフィン※」を使用します。
正確には「パラフィン類」（パラフィンワックス）と言うことで、固まるポイントは変化させることができます。アイスクーラーの製品により凍結するのが18℃だったり28℃だったりするのはパラフィンの配合が違うからです。（通常のパラフィンワックスの融点は48℃～75℃と高めです）

【パラフィン】
パラフィンとは、炭化水素化合物の一種で、炭素原子の数が20以上のアルカンの総称。
原油をセ氏三百度以上で蒸留し、得た重油をひやして析出する、白い、ろう状の固体。
無臭。ろうそくの原料。また、つや出し・防水・クレヨンなどにも使用される。

そして、パラフィンをアイスリングへ直接、または、細かなマイクロカプセルに入れて使用しています。

前述の「物質の変化」に記載しましたが、固体から液体に変化する時は周囲の熱を奪うので冷たくなります。逆に、配合したパラフィンの融点（18℃や28℃）より冷えると熱を放出し固体に変化（凍結）します。